メゾンベルジェ正規代理店

アロマオイル、アロマランプのDCHL JAPAN

LAMPE BERGER PARIS

100年を超えて愛され続ける、伝統の香りと品質をフランスから

ログイン

オンラインショップ

  • date
  • イメージ1
イメージ1

第十回 モロッコの国民的な飲み物『ミントティー』

Menthe Fraîche au Riad / Fresh Mint at the Riad

アフリカ大陸の北西部に位置する国、モロッコ。そのモロッコで国民的な飲み物として親しまれているのが現地でアッツァイと呼ばれる『ミントティー』です。しかし、その習慣が広まったのは比較的最近のお話。もともと、モロッコの人々はスペアミントにお湯を入れて飲んでいたようですが、お茶がもたらされたのは18世紀になってから。当時、アジアとのお茶の貿易を進めていたヨーロッパの人々が、はじめてモロッコにお茶を持ち込んだとされています。当初は上流階級の間で嗜まれていたお茶ですが、1831年にイギリスが東インド会社による茶葉の独占を廃止したこと、また1869年のスエズ運河開通などの影響により価格が下がったため、徐々に庶民の間にも浸透していき、20世紀はじめには広くモロッコ全域で飲まれるまでになりました。今では、モロッコは世界最大の緑茶輸入国になっているほどです。余談ですが、日本も1930年代にはモロッコに緑茶を輸出しており、ミントの風味によく合うお茶として、釜炒り茶を輸出する計画などもあったらしいのですが、太平洋戦争の勃発により、その試みは途絶えてしまったようです。

ミントティーは食事とともに、モロッコでは上流階級や仕事上の交流会などおもてなしの場面に欠かせないものです。ミントティーだけのときもあれば、モロッコのお菓子やビスケットと一緒にモーニングティーやアフタヌーンティーを楽しむこともあります。また、食前、食後に飲むこともありますし、稀に食事と一緒に楽しみます。鎮静作用にも効くといわれていて、田舎では焼いたパンにハチミツやオイルをつけたものやオリーブの実と一緒にミントティーをいただきます。飲むときには装飾を施した小さいグラスを使い、上にミントの葉を飾ります。ティーポットは、マンチェスタースタイルと呼ばれるイギリスのぼってりした形に円錐形の蓋の付いたものを使います。ちなみに、オリエンタルな細工が施されたポットやグラスも、モロッコミントティーの大きな魅力。特に、片手にすっぽり収まる小ぶりのグラスは、色鮮やかなガラスにイスラーム世界ならではの優美な金の文様や飾りがつけられた美しいもので、眺めているだけでうっとりした気分になります。この茶器を使って、家のご主人がミントティーを目の前でいれてくれるのです。

イメージ2

ミントティーは、体に活力やエネルギーを与えてくれます。飲んでいると気分がハイになってきますし、体も温まってリフレッシュ効果もあるので、寒暖の差が激しい気候のモロッコには打って付けです。また、ミントは胃にやさしく、消化を助ける働きもあるので、スパイシーで油っこい食事をすることが多いモロッコ人にはぴったりです。さらに、ミントティーを作るには必ず沸騰したお湯を使いますが、これは水を安全に飲めるということでもあるのです。このように、モロッコミントティーは現地の人にとって欠かせない飲み物となっています。最後に、モロッコ人はどうしてこんなにミントティーに夢中なのでしょう? いろいろありますが、一説によるとイスラム世界で唯一許されている嗜好品だからではないか?と言われています。アルコールや他の薬(ドラッグ)は厳しく禁止されている国ですし(飲酒が宗教的に禁じられているせいもあって、その代わりにミントティーが広まったとも言われています)、しかもお茶はコーヒーなどに比べて安価で、何処でも簡単に手に入れられる利点があるからではないでしょうか。

 

 

 

ページトップへ戻る