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第三回 トルコの喜び『ロクム』

Plaisirs Sucrés d’Istanbulz / Istanbul Delights

オスマン帝国時代のスルタンも大好物だったと言われるトルコの伝統的なお菓子、ロクム。英語ではターキッシュ・ディライトという名前で知られています。食感は日本の求肥(ぎゅうひ)やゆべしに似ていて、もちもちっとした歯ごたえ。映画「ナルニア国物語」で、少年が魔女からもらって食べていたお菓子がこの「ターキッシュディライト」でした。

何百年もの歴史を持つ「トルコ・ロクム」は、オスマン宮廷の台所と切っても切れない存在でしたが、世界的に有名なこの味の歴史はごく古い時代までさかのぼります。ロクムの原形は、世界史の最も重要な文化圏の一つであるペルシアを支配した、紀元後226年から652年まで続いたササン朝ペルシアにおいて最も愛されたお菓子である「アブヒサ」でした。オスマン時代においてまず、今日のトルコ語でのどに優しいという意味の「ラハット・ウル・フルクム」と名づけられ、後に「ラハット・ロクム」、最後に現代トルコ語で「ロクム」という名になりました。ロクムはアナトリアで15世紀から徐々に知られるようになり、特に17世紀以降のオスマン時代に人気が広まりました。ヨーロッパでのロクムの人気は、あるイギリス人旅行者が初めてロクムをイギリスに持ち込み、ターキッシュ・ディライト(トルコの喜び)として紹介した18世紀にさかのぼります。最初のロクムの大量生産は、1777年、蜂蜜と果実のシロップ、小麦粉を混ぜ合わせる手法で行われました。この大量生産のプロセスは、17世紀に、砂糖とでん粉の精製法の発見に加えて生産と味つけ法の変化が起こったものが、今日まで伝わっているものです。

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ロクムの歴史を語る上で、ハジ・ベキル(Haci Bekir)というお菓子職人を忘れてはいけません。ハジ・ベキルは、1777年にイスタンブールでお菓子の製造販売をする小さなお店を開店しました。彼のお菓子の美味しさは、すぐに街の人達を魅了し、その噂が宮殿にまで届き、スルタンのお気に入りとなりました。そしてハジ・ベキルを宮殿のお菓子職人のチーフとして任命したのです。ハジ・ベキルが亡くなった後、その息子のムヒッディン(Muhiddin)が後継ぎとなり、彼の時代にはヨーロッパで開催される数々のお菓子フェアで賞を受賞し、ロクムを世に広めることとなりました。ムヒッディンの息子のアリ(Ali)の時代にはエジプトに店を開店させると共に、アメリカにもロクム人気を巻き起こし、ロクムを世界各国に輸出するようになりました。もちろんハジ・ベキルの味を受け継いだムヒッディンも、アリも宮殿のお菓子職人のチーフとしての地位を得ることとなりました。現在、ハジ・ベキルのお店は3人の名前を取り、アリ・ムヒッディン・ハジ・ベキルとしてトルコで最も有名なロクム店として営業しています。

 

 

 

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